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2011.04/14(Thu)

個人請負も「労働者」 最高裁が認定

~<最高裁判決>個人請負も「労働者」 団交拒否は不当行為~ (毎日新聞 2011.4.13)

INAX(現LIXIL)の子会社と業務委託契約を結んで製品修理を個人で請け負う「カスタマーエンジニア」(CE)が、労働組合法上の「労働者」に当たるかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は12日、「労働者に当たる」との判断を示した。そのうえで、団体交渉を拒んだ会社の対応を不当労働行為とする判決を言い渡した。こうした就業形態は個人の立場を不安定にするとの批判がありトラブルも多いが、請け負う側に有利な判決となった。

 CEは「INAXメンテナンス」(愛知県)からINAX製のトイレや浴室の修理補修を請け負っている。04年にCEらが加入する社外の労働組合が労働条件改善を訴えて団体交渉を求めたが、会社側は「CEは『労働者』ではない」と拒否した。

 労組法は労働者を「給料やこれに準ずる収入で生活する者」と規定している。CE側は「社員同様会社の指揮監督を受け、労働の対価として事実上の賃金を得ている」と主張。会社側は「CEは個人事業主であり発注業務を拒める。報酬も委託業務に対して支払われている」と反論した。

 小法廷は「CEは会社側の依頼に応じるべき立場にあった」と指摘。「報酬は会社が等級や加算額を決めており、労働の対価と言える」として労働者性を認めた。

 訴訟では、東京地裁が08年にCEを労働者と認めたが、東京高裁(09年)が1審を取り消す逆転判決を言い渡していた。

 小法廷は同日、CEと同様に新国立劇場運営財団(東京都渋谷区)と契約を結んで公演に出演しているオペラ歌手についても労組法上の「労働者」に当たるとする判決を言い渡した。



上記記事のとおり、先日「労働組合法上の労働者」に該当するかどうかに関する注目すべき判決が立て続けに出されました。

2年とちょっとまえ私が社労士として開業したとき、一番はじめのはじめに電話でお問い合わせいただいたのが、この個人事業主や業務委託契約者の「労働者」性の問題でした。

今回の裁判で焦点となっていたのは労組法上の「労働者」に当たるか否かということですが、私が当時芸能プロダクションの社長様からお問い合わせいただいたのは、労基法上の「労働者」に当たるか否か、また所属している芸能人・タレントは労災保険、雇用保険に入れないといけないのか、という質問だったと思います。


労働基準法:

(定義)
第九条  この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

労働組合法:

(労働者)
第三条  この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。

労働契約法:
(定義)
第二条 この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。


労基法、労組法、労契法それぞれで「労働者」の定義が微妙に異なります。

労基法の「労働者」の範囲より、労組法上の「労働者」の範囲の方が広い。。。話しがそれてしまうので細かくは書きませんが、社労士試験のときにそういえばそのことを勉強したな~と懐かしく思い出しました。


今回の最高裁判決においては、契約の形式よりも実態を重視・精査し「労組法上の労働者」性が判断されています。それは、会社からの依頼応諾義務はどの程度のものなのか、報酬の仕組みはどのようなものだったのか、組織にどの程度組み込まれていたのかなど…といった点です。

経費削減のために、労働者としての雇い入れではなく、業務委託契約・請負契約を活用する企業は多くあります。「その人は外注さんだから」みたいなセリフ…よく耳にします。ただ、中には安易に都合よく業務委託契約・請負契約と称しているだけで実態は労働者と同様の就労形態というケースもよ~く見かけます。

いくら契約書をしっかり作っているからといって実態がともなっていなければ、それは形式だけの「名ばかり個人事業主」「偽装請負」と判断されます。

業務委託契約・個人請負ではたらく人は、現在110万人を超えるそうです。

今回の最高裁判決は「住宅会社とメンテナンスの業務委託契約を結んだ個人事業主(全国に590名ほどいるらしい)」「劇場と出演契約を結んだオペラ歌手」が「労働組合法上の労働者」として認定されましたが、会社と業務委託契約を結んでいるトラックドライバーや技術者、建築関連の職人さんなど、その他の業種においても今後業務委託契約締結時にはより慎重さが求められます。

参考:最高裁判例

●平成21(行ヒ)473 不当労働行為救済命令取消請求事件  
 平成23年04月12日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄自判 東京高等裁判所
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110413094337.pdf

●平成21(行ヒ)226 不当労働行為救済命令取消請求事件  
 平成23年04月12日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻し 東京高等裁判所
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110412150301.pdf


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2011.04/14(Thu)

被災企業の社会保険料、1年免除 政府方針 雇用維持を後押し

政府は、震災で被害をこうむった企業に対して社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)を免除する方針を固めたようです。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

~震災被害企業 社会保険料1年免除 政府方針 雇用維持を後押し~ (日本経済新聞 2011.4.14)

政府は東日本大震災で甚大な被害を受けた企業を対象に、社会保険料の事業主負担を1年分免除する方針を固めた。雇用保険や健康保険、厚生年金などの各保険料のほか、子ども手当の拠出金も免除する。免除対象になった企業は従業員1人あたり100万円前後の負担軽減になる見込み。東北以外の企業も対象に含め、雇用維持を後押しする。早期成立を目指す震災対策の特別立法に盛り込む。

厚生労働省は震災直後に緊急避難措置として、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の被災企業を対象に、社会保険料の支払いを猶予する通知を出している。政府は早期復興に向け、震災で被害を受けた企業の負担を本格的に軽減する必要があると判断。当面、震災後1年分の社会保険料負担を免除する方向で民主党と調整する。

対象企業の条件は今後詰めるが(1)事業所の従業員の半数以上に給与が支払えない(2)月給が数万円程度など給与の大幅カットに追い込まれている――のいずれかに該当する場合が軸になる見込み。東北以外の企業でも、震災による損害が企業財産の2割以上に上るなど被害が大きい場合は対象に含める方向で検討する。

労働保険では失業給付などに充てる雇用保険料のほか、企業が全額を負担して労災事故に備える労災保険料を支払う必要がなくなる。雇用保険料は従業員負担も免除する。保険料を労使で折半する厚生年金は労使それぞれの負担を免除する。労働保険と厚生年金は免除によって減収になるが、各保険財政で吸収する方向だ。

健康保険は家屋が全壊するなどした被災者には保険料負担を求めない方針をすでに決めているが、被災企業についても保険料の事業主負担を免除する。健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)などの財政悪化を防ぐため、国が全額を肩代わりする方向だ。国庫負担は数百億円とみられる。

子ども手当の財源の一部となる事業主拠出金も免除する。2011年度は月額1万3000円を据え置いたままで半年間給付することが決まったが、被害の大きい企業には負担を求めない。

年金、医療、子ども手当など社会保障の財源のうち、事業主負担は08年度実績で27兆3000億円。従業員1人あたり平均で年間100万円程度を負担している。津波で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の沿岸部に事業所は8万8000あり、約84万人が働いていた。


社会保険料、特に健保・厚年は通常時においてもかなり重い負担感を感じるもの。免除対象となる企業の条件もできるだけ簡便なものにしてもらいたい。(10月から児童手当に戻るようだが、こども手当はやはりはなから不要。)


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